2026年04月

 昨年12月から2月まで、雨が降らず乾燥した気候から比べると、3月はちょこちょこと雨の多い一か月でした。三寒四温を繰り返しながら、雨が降るごとに気温が少しずつ上昇し、桜の開花が例年より早く、入学式まで桜が残っているか分かりませんが、春の訪れを実感できる4月に入ってきました。

 春は元々、肝気が乱れ、気が上昇し首や頭が詰まる時期だと先月触れましたが、新しい年度が始まることで、環境ががらりと変わる時期でもあります。この時期は新しいことを学び始めたり、新しい環境から膨大な情報を目にしたり、調べものからネットサーフィンに夢中になったりと、やる気とともに脳がフル稼働する時期でもあります。すると、脳の情報処理力が追いつけなくなり、脳疲労、頭痛、眼精疲労という症状が出るものです。先月の一言のふくらはぎのマッサージやツボ療法に加え、頭痛に対する代表的な漢方薬である「釣藤散」を使うのもアリかと。めまいやイライラ、気分の落ち込み、肩こり、耳鳴り、不眠などの緩和にも効果があるとされています。その他、ラベンダーのマッサージオイルの活用もお勧めです。鎮静作用、鎮痛作用に優れ、首筋や耳まわりをマッサージすることで、リラックス効果だけではなく、肩こりや頭痛などの緩和が期待できます。血流改善にも役立ち、三半規管のケアにもおすすめです。

 食養生として、上に熱がこもった状態を改善する清熱作用のあるキャベツ、ブロッコリー、ルッコラ、カリフラワー、菜の花などアブラナ科の野菜を取り入れましょう

 この時期旬のタケノコも、脳の機能を円滑に動かすために必要な神経伝達物質であるアセチルコリンの材料となるパントテン酸や、自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンの材料となるチロシンを含みます。そのため、ストレスが多い時期にも役立ち、「肝」の働きをサポートしてくれます。

 4月も中旬になると、陽気が安定してきて、年度当初の緊張感も和らぎ、逆になんとなく調子が悪い、だるい、眠い、昔風に「春眠暁を覚えず」というような状態に陥りやすくなります。これら春の不調には、3つほど原因が挙げられます。まず第一に「基礎代謝低下にともなう自律神経失調」です。春になり気温が上昇すると、体温維持するための基礎代謝が低下し、連動して自律神経が副交感神経優位に移行します。すると一時的に副腎皮質ホルモンの分泌も低下し、心身の機能低下を引き起こし、だるくなってしまうのです。第二に「ビタミン欠乏」。春になって暖かくなると、基礎代謝量は減少しますが、新陳代謝は逆に、寒さによる抑制が外れて非常に活発になります。この代謝の過程でかなりのビタミン(特にVB1,VB6,VE)を消費し、不足しがちになります。この結果、調子が出てこないという仕組みです。豚肉、春キャベツ、ピーナッツ、ネギ、ニラ、ニンニクなどを食べてビタミンB群の補給をしておきましょう。最後の第三は「快適気候」です。人間が最も快適だと感じる気候が「気温22度、湿度65%」です。これは、人間が呼吸したり活動するのに最も負担が少なくなる状態となります。快適になると当然緊張感もなくなり、眠くなり易いとう構造です。こういった状況に対してのツボ療法は、先月に勧めた「太衝」「曲泉」「足三里」のツボ療法と共に、足の外くるぶしの前・下・後ろ周辺の刺激や、頭の天辺の「百会」の刺激も加えると効果的です。

 最後に、4月からは、万物の生長の時期よろしく人間も心身の地力を増進するのに適した時期に入ります。東洋医学の原典である「黄帝内経素問」にも、「春の3ヶ月は万物が古いものを推し開いて、新しいものを出す季節であり、天地間の生気が発動して、すべてが生き生きと栄えてくる」と書かれてあるように、これからの3ヶ月で作りあげた体力が1年中で最も充実してその後の季節を乗り切れるかの基盤となります。ただし、急激な運動は故障の原因となりますので、焦らずじっくりと鍛え上げましょう。世界はイラン戦争勃発で、原油の供給も不安定になっています。たぶん長引かないと思うけど、もしエネルギーが枯渇したら、頼りになるのは自身の筋肉です。現時点では妻に勝てるか微妙な体力を夏までに鍛え上げなくては…鍼師も挑戦が始まります(泣)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP