今年の東京の8月は、事前の猛暑予想の通りの酷暑から始まりましたが、昨年のように数週間晴天が続いて連続猛暑日を重ねるような状況ではなく、天候不順で一時的に涼しい時期があるなど、比較的過ごし易い一か月でした(西日本は違いますが)。体調も夏バテの方は少なく、梅雨時期の体調不良を引きずるような、神経痛・頭痛・関節痛といった天気痛、多湿により食欲はあるけど食後の胃もたれや膨満感が強いなどの消化器症状が多くみられました。
9月初旬はまだまだ猛暑日が訪れる可能性も高く、すでに発生している秋雨前線は10月上旬まで停滞する見込みで、秋晴れ少なく台風と重なると線状降水帯も発生して荒れそうです。中旬以降は猛烈な暑さは収まるものの、残暑はまだまだ続くのかなと思われます。
これからの過ごし方としては、夏の延長線での冷たい飲食物は控え、内臓を温める作用がある根菜類(かぼちゃ、玉ネギ、レンコン、ニンニク、大根など)を食事に取り入れ、さらに食事の全体量も制限して胃腸の保養に努めることが大事です。
今年は8月から台風が日本列島に上陸していますが、本来は9月が最も多く台風が上陸する季節です。台風による急激な気圧の低下では、喘息患者が急増します。台風と共に体調不良になる方は、呼吸器が弱い体質(もしくは状態)であると自覚して、関連が深い秋を見据えて準備しましょう。
9月下旬に秋の気配を感じ始めると、空気が急速に乾燥してきて、夏の多湿からすると体感的には心地よくなるものの、防衛を司る呼吸器系統(呼吸器・皮膚・粘膜)に直接影響が出て、鼻汁・鼻閉・喉の痛みを中心とする風邪も増えます。今年は特にインフルエンザの流行が例年よりひと月早く進んでおり、余計に注意が必要です。また、夏の繁殖が終わったあとのダニの死骸や抜け殻、フンが原因で、9~11月くらいにかけてダニアレルギーの人が増加します。さらに、ブタクサ・よもぎ、カナムグラなどの花粉に対するアレルギーも発症します。また肌も乾燥して荒れ易くなり、腸の粘膜が乾燥して便秘になることもあります。
それでは秋の養生にすすめますが、まず大事なのは腸活です。腸壁には感染症やアレルギー予防のために働く免疫細胞の7割以上が存在するといわれているためです。腸内の状態は、アレルギーなど免疫の働き、肌の状態、心の状態など、体と心の両方に影響していきます。整腸食品である発酵食品や食物繊維が多い食品はこの時期だけでなく年間を通じて地道にをとりいれたいですが、逆に気を付けるものとして、麵類や菓子パンなどの小麦製品や砂糖がたっぷり入った飲食物をとりすぎると、栄養の吸収を行う小腸にダメージを与えます。小腸にはフィルターがあり、必要な栄養だけを吸収する仕組みがありますが、このフィルターが小麦や砂糖によって壊れてしまいます。すると、本来体内に取り込むべきではないアレルゲンや未消化物、重金属などの有害物質、菌やウイルスなどを吸収し、体内で炎症を起こして不調の原因となります。これを「リーキーガット症候群」といいます。この状態は、整腸食品などをとりいれると必ずいい方向へ変化します。改善の第一歩としてローズマリーとシナモンを挙げておきます。それぞれ抗菌作用があり風邪対策にもなりますが、リーキーガット症候群の原因となるカンジダ菌の除菌にも役立ち、腸内環境を整えます。ローズマリーはお肉やお魚料理にあわせやすく、シナモンは飲み物にちょい足ししやすいので、とても使いやすいハーブです。それから腸にプラスの食材としてネバネバ系の食材、塩麴、納豆、もずく、こんにゃく、米ぬか、七味唐辛子、サトイモ、酒粕。消化にプラスの食材・スパイスとしてカブ、山椒。抗菌作用の高いショウガ、ニンニク、ワサビ、コショウ、唐辛子、コリアンダー、シナモン、クローブ、クミン、ターメリック、バジル、ローズマリー、サフランなどです。
便秘には、食事のバランスを整える、適度に運動する、などの生活習慣から治したいものですが、腸内をうるおし、腸管を刺激することで便通をうながすに麻子仁丸という漢方薬もおすすめです。
最後に刺激療法として、首から肩甲骨内縁という肺に関係の深い領域にお灸の温熱刺激や乾布摩擦など、皮膚の刺激を通じて免疫力の強化を図り、肺系強化のツボ刺激として、中府(ちゅうふ:鎖骨外端の下・陥凹部の下3センチ位)や母指や人差し指の刺激も是非試みてください。
今月は熊本地震に引き続き災害も多く、千葉や石川富山福井で発生した線状降水帯では浸水による家屋や車両の大きな被害があり、関東も久々の大きな地震で、当時京都にいて東日本大震災を経験していない妻は飛び起きた後、恐怖と興奮が冷めやらず、明日忙しいから頼むから寝かせてくれと思う鍼師を寝不足に引きずり込む始末でした(泣)。
世界的にも、ネパールと中国の国境付近で発生した土石流は、災害パニック映画さながらの映像で、地球環境は大丈夫なのか?と不安を感じる今日この頃です。映画といえば、先日、開戦前夜という映画を観に行きました。日本が大東亜戦争の開戦前にアメリカとの戦力差を研究して勝てないとの研究報告が出ていながらも回避できず戦争突入していく様子を描いていて、空気って怖いと感じました。また、東条英機が今のプーチン大統領にダブって見えるような気がして、個人でどうこう出来る話ではありませんが、最近戦況の厳しそうなロシアが最後に自暴自棄になって災厄を撒き散らさないよう切に祈りたいと思いました。

