今年は1月20日「大寒」が3月並みの暖かさになったことで、気象庁の1月21日発表の3か月予報では、2月は平年より気温が高くなるとのことでしたが、2月に入ると「どこがやねん」と言いたくなるような、寒さでした。やはりというか、冷えから起こる腰下肢の疾患が多かったです。2度の長期寒波はなかなか予測難しいですが、暖かくなると言われると油断しますよね。
3月は、倍率33倍で東京マラソンの出場枠をゲットした幸運の患者さんも「何着て出ようと?」と苦心するように、いきなり最高気温20度近くになるようで、これからは春一番などフェーン現象による急な気温上昇と寒の戻りの「三寒四温」の季節です。「木の芽時には調子が悪い」といわれるように、この急激な陽気の変動には自律神経がついていけません。東洋医学では、春の陽気は肝気を乱し、体内の気が統率を失い、上へ昇って下半身と上半身のバランスが悪くなり、足腰がだるい一方、肩から上は詰まった感じで、肩・首の凝り、頭痛、さらには眩暈・耳鳴りを引き起こしたりします。この場合当院では、足の1・2指の間の付け根にある「太衝」や膝窩横紋の内端にある「曲泉」という肝臓強化のツボを刺激し、下腿を指圧して上昇した肝気を下に下げます。皆さんも入浴中などにふくらはぎをせっせと揉みほぐしてみましょう。肩首の凝りは散鍼などで散らすように治療しますが、後頸部だけでなく頸動脈のある前頸部も大事。頸動脈は他の動脈と違い、脳の血流がショートしないよう特殊な調整がされて血液が脳へ一定の速度でスーと流れて行きます。また、頸動脈には自律神経のセンサーもあり大変重要です。脳がスッキリ働くために、耳の下から頚の中央に走る胸鎖乳突筋をその奥の頸動脈ごとマッサージするのは非常に有効です。
さて、この肝気の乱れ、精神的には能動的な精神活動のコントロール不能という形で現れます。これがマイナスに働くと、やる気がでず、ボーとして物事に集中出来なかったり、鬱っぽくなったりします。逆にプラスに働くと統制が利かずに突発的行動に出たり、イライラして怒りっぽくなったりするわけです。痴漢や露出狂などの軽犯罪が増え、周囲との摩擦や夫婦喧嘩が多くなるのがこの時期です。皆さん、精神修養と思って、感情と行動(発言含む)を直結させず、ワンテンポおいて、冷静~に、行動によりもたらされる結果を考えて、慎重~に慎重~に行動しましょう。
トランプ大統領は、就任以降、ジャイアンのように傍若無人に振舞ってますが、アメリカの強い立場を背景に、言いたい放題、やりたい放題してますが、計算しているのか?いないのか? もたらされる結果が理不尽のものになりませんように(祈)。