2025年01月

 新年、明けましておめでとうございます。本年も鍼師祥寿院をよろしくお願い申し上げます。昨年は元旦から能登の大地震や航空機の衝突火災とお祝いができるムードではなくなりましたが、今年は良い年であってほしいものです。

 昨年末は、12月初旬の穏やかな気候から、中旬以降寒波で一転して気温が下がり、大掃除など普段と違う身体の使い方の要因もあってか、ぎっくり腰肩腕痛が多く見られました。また、関東は晴天が続きカラカラの乾燥(日本海側の大雪よりはマシ)のために、流行が始まっていたインフルエンザも罹患数が増え、「少々の風邪症状なら、病院の待合室の方が感染が怖いから行かない方が良い」と言われるくらい、コロナやその他の急性上気道感染症とともに風邪も蔓延していて、要注意です。

 寒い時期に気を付ける病気は脳血管障害(脳溢血や脳梗塞)や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などの血管病。昨年12月に54歳の中山美穂が急死されたことで可能性が指摘されたヒートショックですが(鍼師も精神ショック)、冬の入浴は、脱衣場が寒いと服を脱ぐ時点で寒さにて血管が収縮し、血圧が上がり、風呂につかると、はじめは熱いお湯の刺激でさらに血圧が上がって200㍉に達します。その後、しばらく浸かっていると今度は風呂の温度で血管が拡張し、一気に120㍉以下に下がってしまい、血液が巡らず貧血を起こし、失神してそのまま溺れてしまうのです。また、早朝目が覚めてトイレに行くときに寒さによる毛細血管の緊張と血圧の急上昇脳卒中をおこす事例も増加します。最高血圧と最低血圧の差を脈圧と言いますが、これが大きい人は血管壁の弾力が失われ、動脈硬化が進んでいる証拠なので特に要注意です。症状としては、風邪症状が無いのに頭痛がして、左手の脈が右と比して早く激しく打っている場合(中風脈)、心臓や脳に大きな負荷がかかっていると自覚しましょう。ツボ療法としては、「だん中(両乳首と正中線の交点)」や、前腕の掌側中央を手首から肘までのライン(心包経)を10秒ほど指圧刺激すると心臓に余裕ができ、第2の心臓であるふくらはぎをもむのも循環系統に余裕が出来るので有効です。

 昨年10月末に、ChatGPTが「医師よりも正確に病気を診断する」とする衝撃的な論文が発表されました。現役の医師がChatGPTをアシスタントとして診断した正解率が76%に対し、医師単独の正解率が74%と僅差であったのが、医師の意見を除外してChatGPTに診断を丸投げしたら正解率90%に達したという結果で、人間の経験や思い込みによる判断バイアスが、逆に診断の正解率を低下させるという残念な結果が出ていました。

 なかなか終わらない戦争や紛争も、自己の利益を最大化するという目的でなく、国家の枠組みを超えて、すべての人類の共存共栄を第一義とする、という前提でAIに政治判断の可否をさせた方が、絶対平和なんだろうな〜とか、地球の環境を最優先させたら、人類抹殺になるのかなぁとか、いろいろ考えさせられました。愚かで利己的な人類が、どうか破滅的な判断をしませんようにと祈りながら、個人的には、淡々と、より良い仕事が出来るようにと、気持ちを新たにしている鍼師でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP